●質問
結婚が決まった瞬間からセックスレスっぽくなりました。結婚したらほぼセックスレス状態になりました。わたしが彼に文句を言った時だけ、彼は義務的にセックスに応じてくれます。
結婚が決まった当初は週に1回やりたいね! と言っていたのに!
超ラブラブだったし!
めちゃくちゃすごいプロポーズしてもらったし!
結婚式もすごく盛り上がったのに!
どこが間違っていたのでしょうか?
●回答
心理哲学に見るセックスセックスレス問題の本質は、彼氏と彼女とで性欲に関する考え方が違う点にあります。
適度な頻度でセックスをしたがる人、すなわち健全な性欲を健全に表現できる人は、中高生ぐらいからセックスについてネガティブな考えや経験をしてこなかった人です。
具体的には、中高生ぐらいから幸運にもセックスの相手に恵まれ、例えば中3とか高1とか高2くらいで初体験をすませ、しかもその経験がネガティブなものではなく、むしろ心温まるものだった。その後の人生においても、セックスの相手に程よく恵まれ、性をわりと楽しむことができた。
他方、結婚したらセックスをしなくなる人は、自分の性欲をよくないものとして見てきた。あるいは、よくないものとして見ざるを得ない経歴がある。
例えば中高生くらいから、憧れの人とセックスをしたいと思いつつも、その夢が実現せず、大学生や社会人になっても同じくセックスの相手に恵まれず、鬱屈したものを持っている。
すなわち自分の性欲ゆえ自分は自己肯定感が低く生きづらさを抱えていると思っている。すなわち、性欲を天敵のように思っている。
以上のようなことは、直接的にはその人の経歴に起因しますが、より本質的には、持って生まれたものによります。
ラカンという精神分析家によると、私たちは2世代前の人の考え方の癖を引き継いでいます。つまり、おじいちゃん、おばあちゃんの考え方を引き継いでいます。
例えば、おじいちゃんが真面目に勉強するのが取り柄で、異性にあまり興味がなかった場合、あなたがその血を強く引いていれば、表向きどれだけ相手に親切であろうと、異性にサプライズを提供できる人であろうと、結局はセックスレスになります。2世代前の人の考え方の癖を繰り返すのです。
さて、以上のようなセックスレスの原因から、どのような解決法が導き出されるのでしょうか?
1つには、自分の祖父母の考え方の癖を知り、それを言語化することによって自分のルーツをしっかりと理解できた途端、自分が少しずつ変わる可能性があるということです。
私たちはなんだかよくわからないモヤモヤしたものについて悩んでいると思ってる時、その解決法がわかりません。
しかし、もやもやしてるものが具体的に何なのか、あるいは何が原因なのかがわかれば、おのずと解決方法が見つかるという、考え方の癖を持っています(考え方の癖というか、脳の癖なんでしょうけど)。
なので、自分の考え方の癖を知ることによって、それを少しずつ意識することによって、矯正してあげるという方法があります。
これはうちの心理アカデミーでもやっていますし、ほかのカウンセラーの方もやっている手法でしょう。
しかし、より本質的には、祖父母から受け継いだ考え方の癖というのは、大きくは矯正されないので、セックスレスは諦めるしかないというのが現実的な見方ではないかと僕は思います。
かつてフランスでは、結婚したら夫婦それぞれに外に愛人をもつという暗黙のルールがあったそうです。
いくらラブラブで結婚したからといって、セックス観や性欲観まで一致しているとは限らないので、そういうものはお互いに外で満たしてこようぜという、なんとも合理的な考え方です。
今は女性用風俗もメジャーになったのですから、そういうものを使ってもいいのではないでしょうか?
ちなみに、女性用風俗がメジャーになる前、男たちは自責の念に駆られて自己肯定感を低く持っていました。
「おれは性欲が強いばかりに女に金をむしり取られることばっかりやっている。なんてダメな人間なんだ」と――。
しかし、女性用風俗がメジャーになったことで、「女性もお金を払って自らの性欲を満たす生き物なのだ」ということが明らかになりました。このことによって、レスに困っている男女がともに救済されようとしています。
なんともいい時代ではないですか!